
今回の現場レポートは、川口市立幸町小学校の現場です。
校舎を解体するので、仮設校舎の建設中です。
写真の手前は「基礎工事中」の仮設校舎です。
奥に見えるのは、生徒がいる教室棟になります。
仮設校舎が完成した後、引越しをしてから
建物の解体工事が「スタート」となります。
学校の校庭は、高層マンションなどに囲まれて、
都心の一等地ににある小学校という印象です。
そんな中でも子供たちは「元気一杯!」に遊んでいました。
解体工事の始まりです。まずは内部から・・・
手作業で仕上材を撤去していきます。
壁・天井・床などに張られている材料を
取り外して構造体(RC躯体)だけの状態にします。
撤去した材料は、種類ごとに分別して処分されます^^
突然の取材にも関わらず、現場のスタッフの方は快く挨拶して下さり、ホッと一安心。現場は、まさに缶コーヒー「BOSS]の世界です。
改めて、現場を確認。
これで内装解体完了です。
仕上材がきれいに取り外されました。
すべての部屋をこのような状態にしてから、
重機による建物解体工事が開始されます。
外部では、高い所の作業はおまかせの鳶の出番です。
建物の廻りに足場を建てて建物をすっぽり覆います。
建築現場では高所を華麗に動き回る事から「現場の華」とも称され、
ちなみに、鳶(とび)の名前の由来は、江戸時代に活躍した「火消し」と
呼ばれる、現在の消防士のような職業の人が、消火活動の際、
高いハシゴに登って掛け声をかけている様子が、鳥の鳶(とんび)のように見えた様から、鳶(とんび)→鳶(とび)と呼ばれるようになったそうです。
外部足場の組立が完了したら「防音パネル」の取付です。
その名の通り、現場の音が外に漏れるのを防ぐために設置します。
このように解体建物の周りを防音パネルでぐるっと囲んで「騒音対策」もバッチリOK!準備完了です。いよいよ重機による建物解体工事の開始です。
重機4台で解体作業中です。それぞれの「重機に役割」が決められて作業しています。
例えば、建物を壊す係り・コンクリートと鉄に分別する係り・ダンプに積み込む係りなどです。
詳しくは、重機ページをご覧下さい
一番大きい重機は「建物を解体」していくのがメインです。
腕が長いので遠くや高い所まで楽々届きます。
運転するオペさんが先端についている「アタッチメント」を指先のように器用に操作して建物を壊していきます。
建物に噛み砕いていく姿はさながら「怪獣(ジュラシックパーク)」のようで、思わず「オオーッ」と見入ってしまうド迫力!
しかも、思ってる以上のスピードで建物を壊していきます。
続いて、中型の重機ですが、
これは解体されたコンクリートの破片をさらに細かく砕いて鉄筋と分別して、「まとめる」のが仕事です。
中型と言っても十分大きいのですが、その大きな体で器用に鉄くず(スクラップ)をまとめていきます。
車体が大きいと「大振りなことしか出来ないのかな」って思っていたのですが、
よく見ると木くずや鉄くずなんかも簡単に拾い上げたりと、「案外器用」だったりします。
建物の解体工事が終わった後、「杭の引抜工事」を行いました。
長さ3~6mのPC杭をケーシングを回転させて縁切りを行ってから引き抜いて行きます。
写真は、ケーシングで縁切りを行った杭を、「かつをの一本釣り」のように引き抜いた所です。
重機も穴を掘ったり、建物を壊したり、杭を抜いたり・・・アタッチメントを変えることによって様々な用途に使用することが出来ます。
これは、「引き抜いたPC杭」をきれいに並べた所です。
こういった細かい芸当も重機を使って「器用に作業」することが出来ます。
結局、500本以上のPC杭を引き抜きました。
どうしても大きなものに目を奪われがちですが、重機の廻りに色々な作業をしているスタッフの姿がありました。
埃などが舞い上がらない様にホースで水を撒いて「建物の解体を補助するスタッフ」、「ゴミを分別して拾い集めるスタッフ」・・・
重機による建物解体と同時進行で「足場を解体していくスタッフ(鳶)」もいました。
3階ほどの高さの足場の上を移動し、足場材を端から解体して運び出す姿は、まさに職人技!
解体工事の花形は重機ですが、多くの脇役スタッフ達に支えられ、「ひとつのチーム」として工事は進められています。
7月中旬に工事は完了し、当然なのですが、建物の痕跡はゼロ!だだっ広い、空き地になっていました。
この後、新築工事によりピカピカの新しい小学校と公民館が建築されることになります。
このように、老朽化した建物を解体することによって「時代にあった土地活用が可能」となります。
解体工事は、更地(ゼロ)にすることではなく、「再生の第一歩」になると考えられます。